残念なことに奇跡は起こらなかった。
火曜日の午後、かみさんからメール。
「亡くなられました」
ガックリと項垂れてしまった。
朝からとても嫌な気分だった。
自分は友人が亡くなるのを待っているのではないかなどと自分を責めていたりした。
ただ奇跡を祈ることしか出来なかったから。
そして現実に直面させられた。
彼はもういない。
もしかして自宅に帰っているかも。
養蜂からの帰り道、彼の自宅の前に立ってみた。
そこにはいつもと変わらず彼のプリウスが停まっていた。
玄関を開ければ彼が出てくるんじゃないかと思ったが、留守だった。
もしかしてうちに来てるかも。
自宅に戻り、彼のためにお線香を焚いた。
そして庭の植物たちには水を。
玄関のドアを開けっ放しにして彼が来るのを待ったが気配はなかった。
そしてその夜は通夜。
昨日は葬儀とモノスゴイ速さで事は進んで行った。
アグリチャレンジスクールも入院して休んで以来の欠席だ。
全ての時間のスピードが早すぎると思った。
でもこれが現実、世の中は常に動いているのだ。
方丈記の「ゆく河の流れ」ではないが、何とも無常である。
生きている我々はどうすれば良いのだろう?
彼を我々の中で活かすことだ。
ただの思い出にしてしまわないで、我々の知や肉にするのだ。
今自分が考えている企みの成就を彼に捧げよう。
自分の志に彼の魂を入れるのだ。
Mさん、安らかにお眠りください。
僕はトコトン生きてみます。